Webサイトを作るとき、あるいはすでに運用しているときに、「スマホでの見え方」をどの程度意識しているでしょうか。 「パソコンで開いたときにちゃんと見えていれば大丈夫」と考えている方も、まだ一定数いらっしゃるように感じます。
ですが、いま主流となっているのはスマートフォンからの閲覧です。 今回は、お客様がどのデバイスからサイトを見ているのかという実態と、それを踏まえた対策について整理してみます。
スマホからのアクセスが主流という現実
まず最初に確認しておきたいのは、今のWebアクセスの中心はスマートフォンであるということです。
世界的なアクセス統計を提供する StatCounter によると、2024年5月時点で日本国内のWebアクセスの約69%がモバイル端末(主にスマートフォン)経由でした。 パソコンからのアクセスは約29%、タブレットが2%弱という割合です。
実際、私の関わるサイト制作の現場でもこの傾向は明らかで、とくに地域に根ざしたサービス業(美容室、飲食、教室など)では、スマホからのアクセスが全体の80%以上を占めるという例もあります。 BtoBサイトなど一部の業種を除けば、スマホファーストで考えるのがもはや標準です。
スマホでの見え方が重要な理由
スマホでの閲覧が主流になった現在、スマホへの対応が不十分なWebサイトには、いくつかのデメリットが生じます。
1. 表示崩れや読みづらさで即離脱されやすい
たとえば、横にスクロールしないと読めないレイアウトや、文字が小さすぎて拡大しないと読めないページなどは、ユーザーにとってストレスになります。 こうした場合、内容を見る前にページを閉じられてしまうことが多くなります。
2. 問い合わせや予約の機会損失につながる
スマホでは、直感的な操作性が重視されます。 ボタンが押しづらい、メニューがどこにあるか分からない、電話番号がタップできないといった細かい点が、結果としてアクションの妨げになることも少なくありません。
3. “古い”サイトという印象を与えることがある
スマホ未対応のページは、視覚的にも機能的にも「昔のWebサイト」のように見えてしまいがちです。 そうした印象は、無意識のうちに「信頼できるのかな」「ちゃんと更新されてるのかな」といった不安感につながることがあります。
スマホ対応の基本:レスポンシブデザイン
現在のWeb制作では、レスポンシブデザインという手法が広く使われています。 これは、画面サイズに応じてレイアウトや文字サイズなどが自動で調整される仕組みで、パソコン・スマホ・タブレットなど、どのデバイスからでも適切に表示されるよう設計します。
特にスマートフォンを意識した設計では、以下のような点が重視されます:
- 読みやすい文字サイズ
- 指で押しやすいボタン配置
- 「電話する」や「地図を見る」といったスマホならではの導線設計
- スクロールしやすく、情報量を絞ったシンプルな構成
また、スマホでの表示や操作性を実機で確認することも重要です。 PC上のシミュレーターでは問題なくても、実際の端末で見るとボタンが押しにくい・読みづらいということもあります。
まとめ:一度、自分のサイトをスマホで確認してみる
スマートフォンからの閲覧が多数を占める現在、自分のWebサイトをスマホで見たときにどう感じるかを定期的に確認することはとても大切です。 特に、数年前に作ったサイトや、自分ではあまり見直していないという場合には、意外な不便が残っていることもあります。
「見づらい」「押しづらい」といった小さなストレスが、お客様の離脱につながっているかもしれません。
スマホ対応の改善は、一度きりの対応で終わるものではなく、アクセス状況や使われ方の変化に応じて調整していくのが理想です。 ご自身でのチェックが難しい場合は、制作者や運用担当者に相談してみるのも一つの手です。