Google検索から人が来なくなった?それでもWebサイトが必要な理由

「Webサイトを作っても人が来ない」「SEOが効かなくなった」という声をよく耳にします。特に2023年以降、Googleの検索結果に大きな変化が起き、「検索流入の激減」を体感しているWebサイト運営者は少なくありません。

検索トラフィック減少の背景と、それによって生じる不都合な現実を整理した上で、なぜ今でもWebサイトが“必要”なのかを考えてみたいと思います。

検索トラフィックが減っている理由

かつて「Google検索で上位表示される=集客に直結」だった時代は、少しずつ終わりを迎えつつあります。主な理由は以下の通りです:

  • 検索結果にAI概要やGoogle独自コンテンツが表示されるようになり、ユーザーがWebサイトにたどり着く前に“満足してしまう”ケースが増えた
  • 広告スペースが増え、オーガニック検索結果が下の方へ追いやられている
  • SNSやYouTube、LINEなどのアプリ内完結型の行動が増え、そもそも検索を使わない層が拡大

こうした変化は、特に個人や小規模事業者が運営するWebサイトにとって、重大な影響を及ぼしています。

サイトオーナーにとっての“不都合な事実”

検索流入が当たり前ではなくなった今、以下のような課題が浮かび上がります:

1. 集客のコスト効率が悪化する

かつては「良質な記事を書いておけば検索から人が来る」という自然流入モデルが機能していました。しかし現在では、コンテンツ制作にかけた労力に見合うアクセスが得られないケースも増えています。

2. SEO対策が報われにくくなる

タイトル設計、キーワード配置、構造化データ……これまで「正攻法」とされていたSEO施策が、以前ほど結果に直結しなくなっています。とくにニッチな分野や地域ビジネスでは、「そもそも検索されない」ことでスタート地点に立てないケースすらあります。

3. 優れたコンテンツでも“見つけてもらえない”

検索トラフィック減少の最大の問題は、「内容が良くても発見されない」という事実です。努力が可視化されず、そもそも比較検討の土俵に乗れない。これは制作者にとって非常に辛い現実です。

それでもWebサイトが必要な理由

検索が弱くなった今、Webの価値はどこに存在するのでしょうか。

1. SNSだけでは補えない“全体像”を伝える

InstagramやLINEで接点を持った人が、もう少し詳しく知りたいと思ったとき、「プロフィールからWebサイトへ飛ぶ」という導線は今も健在です。そのとき、しっかりとサービス内容・料金・場所・問い合わせ先などが整理されているWebがあると、信頼感が格段に高まります。

2. 調べられたときに“存在している”ために

「探される」よりも「調べられる」。今の時代、最初の接点がSNSや口コミだったとしても、最終的に「この人、ちゃんとしてるかな?」と調べられることは少なくありません。そのときにWebサイトがないと、信頼性の判断材料をひとつ失ってしまいます。

3. 情報の“ストック場所”としての機能

SNSは基本的に「流れていく情報」であり、蓄積や整理には向いていません。Webサイトは、提供サービス・FAQ・予約方法・理念などを“置いておく場所”として非常に優れています。これは、検索に頼らない今だからこそ重要な役割です。

おわりに:Webの役割を“再定義”する

検索トラフィックの減少は確かに現実です。この記事もgoogle検索から読まれることはないでしょう。しかし、それは「Webが終わった」という話ではありません。目的と期待を再定義することで、Webの活かし方も変わります。

SNSとWeb、流れる情報と蓄積される情報。今必要なのは、そのバランスをとる“場所”としてのWebを持つことなのかもしれません。