予約システムを作るにあたって、機能とは別に一つ決めていたことがあります。
予約する人には、迷わせない。 予約を受ける人には、覚えさせない。
これを、今回開発する予約システムの基本的な考え方にしました。
予約システムというと、どんな機能があるかに目が向きがちです。
もちろん、機能は必要です。
しかし、機能が増えるほど良い予約システムになるとは限りません。
予約する人にとっての目的は「予約システムを使うこと」ではありません。
予約を受ける人にとっても同じです。
予約する人は、予約したいだけ
お客様が予約ページを開くとき、予約システムの機能にはほとんど興味がありません。
知りたいのは、
「いつ空いているのか」
そして、
「どうすれば予約できるのか」
です。
だから今回のシステムでは、予約する人が考えなければならないことを、できるだけ少なくすることを意識しました。
メニューを選ぶ。
空いている日を選ぶ。
時間を選ぶ。
必要な情報を入力する。
内容を確認して予約する。
基本的には、それだけです。
予約する人には、「予約できる日時」だけを分かりやすく見せる。
システム側で判断できることは、システム側で判断する。
予約者にシステムの都合を理解してもらうのではなく、システムのほうを予約者の行動に合わせる。
これが一つ目の考え方です。
予約を受ける人も、予約システムを使いたいわけではない
もう一つ重視したのが、予約を受ける事業者側です。
新しいシステムを導入すると、新しい管理画面が増えます。
ログイン方法を覚える。
予約一覧の見方を覚える。
予約を変更する方法を覚える。
キャンセルする方法を覚える。
スタッフが増えれば、その使い方を説明する必要もあります。
予約を便利にするために導入したシステムなのに、今度はそのシステムを管理する仕事が生まれる。
これは少し不思議なことです。
事業者が本当に知りたいのは、「予約システムの中がどうなっているか」ではありません。
今日、誰の予約が何時に入っているのか。
多くの場合、それが分かれば十分です。
だったら、いつものカレンダーを見ればいい
そこで今回のシステムでは、Googleカレンダーを日常的な予約確認の中心に置きました。
予約が入れば、カレンダーに予定が入る。
事業者自身がカレンダーに予定を入れれば、その時間は予約できなくなる。
つまり事業者は、普段の予定を管理するのと同じようにカレンダーを使います。
予約のためだけに、毎日別の管理画面を開く必要はありません。
もちろん、裏側では予約情報の管理や空き枠の計算など、さまざまな処理を行っています。
しかし、それはシステム側の仕事です。
利用する人が、その仕組みまで覚える必要はありません。
必要な操作が発生したときも、できるだけその場から行えるようにする。
新しい操作体系を覚えてもらうのではなく、普段使っているものの中に予約管理を溶け込ませる。
それが二つ目の考え方です。
「できること」を増やすより、「しなくていいこと」を増やす
システムを設計していると、どうしても機能を追加したくなります。
こんな管理画面もあったほうがいい。
こんな設定も変更できたほうがいい。
こんな情報も一覧で見られたほうがいい。
それ自体は間違いではありません。
事業規模が大きくなれば、高度な管理機能が必要になることもあります。
一方で、小規模な事業では、機能が増えることがそのまま便利さにつながるとは限りません。
設定しなくていい。
覚えなくていい。
確認しなくていい。
別の画面を開かなくていい。
そうした「しなくていいこと」を増やすことも、システムの使いやすさではないかと考えています。
今回の予約システムは、あらゆる予約業務に対応することを目指したものではありません。
むしろ逆です。
必要なことをきちんと処理しながら、利用する人からはできるだけ存在を感じさせない。
そんなシステムを目指しています。
良い予約システムは、目立たなくてもいい
予約する人が迷わず予約できる。
予約を受ける人は、いつものカレンダーを見れば予定が分かる。
その間で、空き枠の判定や予約登録、通知などをシステムが処理する。
それがうまく動いているのであれば、利用する人がシステムそのものを意識する必要はありません。
予約システムは、毎日操作してもらうためのものではなく、予約を自然に成立させるための裏方でもよいのだと思います。
だから、今回のシステムではこの言葉を一つの基準にしています。
予約する人には、迷わせない。 予約を受ける人には、覚えさせない。
機能を増やすときにも、画面を作るときにも、その機能によって利用する人の負担が増えていないかを考える。
月額利用料を必要としないことと同じくらい、今回の予約システムで大切にしている考え方です。